ポツダム宣言条文

https://worldjpn.grips.ac.jp/documents/texts/JPRU/19560808.O1J.html

日本の受諾したポツダム宣言はヤルタ協定に基いて作られたものであり、然してヤルタ協定は明らかに南樺太及びクナシリ、エトロフ両島を含む千島列島をソ連邦の領土として認めることを規定しているという点に存する様であります。

今日、日ソ両国間に平和を回復せんとするに当つて日本と何ら関係のないヤルタ協定を日本に押しつけることは不当であります。日本がポツダム宣言を受諾したときには、ヤルタ協定の内容はもとよりその存在すら知らされていなかつたことは周知の通りであります。

 


 

ポツダム宣言条文 全訳

日本降伏のため確定条項宣言 ポツダムにて 1945年7月26日発出
<Proclamation Defining Terms for Japanese Surrender Issued, at Potsdam, July 26, 1945>

  1. 私たち、アメリカ合衆国大統領、中華民国政府主席及び「グレート・ブリテン」国の総理大臣は、私たちの数億の同胞を代表し、協議の上、日本国に対してこの戦争を終結するための機会を与えることに同意します。(訳文の解説はこちら
  2. アメリカ合衆国、英帝国及び中華民国の巨大な陸海空軍は、西方からの陸空軍によって何倍にも増強され、日本に対して最終的な打撃を加える態勢を整えています。日本が抵抗を止めるまで、日本に対する戦争を遂行する全ての連合国の決意によって、この軍事力は維持され、鼓舞されています。(訳文の解説はこちら
  3. 世界の覚醒した自由な民族の力に対して、無益で無意味なドイツの抵抗の結果は日本国民に対する先例として極めて明確に示されています。いま日本に集結するその力は、抵抗するナチスに適応した時に全ドイツ国民の国土や産業や生活様式を必然的に荒廃させたその力よりもはかりしれなく大きなものです。決意によって支えられている連合国の軍事力を最高度に活用することは、必然的に日本軍の完全な壊滅を意味し、同じように日本国土の完全な破壊を意味します。(訳文の解説はこちら)
  4. 日本は、愚かな打算によって日本帝国を破滅の淵に追いやったワガママな軍国主義的な助言者によって統治され続けるのか、あるいは理性の道を追随するのかを決断する時が来ています。(訳文の解説はこちら
  5. 私たちの条件は以下の通りです。私たちは日本がその条件(第1項から第4項までに書かれた内容)から離脱することはありません。他に変わる条件もありません。私たちは遅延を許すことはありません。(訳文の解説はこちら
  6. 日本国民を欺いて世界征服の道に着手させた者たちの権力と影響力は永久に除去されなければなりません。というのも、平和、安全及び正義という新秩序は、無責任な軍国主義が世界から駆逐されるまで実現不可能であると私たちは主張するからです。(訳文の解説はこちら
  7. そのような新しい秩序が確立されるまで、かつ日本の戦争遂行能力がなくなったという確証があるまでは、連合国軍によって指定された日本の領土における諸地点は、私たちがここで定める基本的な目的の達成を確保するために占領されなければならないものとします。(訳文の解説はこちら
  8. カイロ宣言の条項は実行されるものとし、日本の主権は、本州、北海道、九州、四国及び我々が決定するような小さな島々に制限されるものとします。(訳文の解説はこちら
  9. 日本軍は、完全に武装解除がされた後に、平和で生産的な生活を送る機会を得て家に戻ることを許されるものとします。(訳文の解説はこちら
  10. 私たちは日本人が人種として奴隷化されたり、あるいは国民として絶滅させるつもりはありません。しかしながら、私たちの捕虜に対して残虐な行為を加える人たちを含めて、全ての戦争犯罪者は厳しく裁かれるものとします。日本政府は、日本国民の間における民主主義的な傾向の復活や強化に対するあらゆる障害を取り除くものとします。基本的人権を尊重するだけでなく言論、宗教及び思想の自由が確立されるものとします。(訳文の解説はこちら
  11. 日本は日本経済を維持したり公正な実物賠償の取り立てを可能とするような産業を維持することは認められますが、戦争のための再軍備を可能とするような産業については認められないものとします。この目的のために、原材料(これを支配することとは区別して)を入手することは認められるものとします。最終的に、日本の世界貿易関係への参加は認められるものとします。(訳文の解説はこちら
  12. これらの目的が達成され、日本国民の自由に表明された意志にしたがって平和的傾向があり責任のある政府が樹立されれば、すみやかに連合国の占領軍は日本から撤退するものとします。(訳文の解説はこちら
  13. 私たちは日本政府に対して、日本軍の無条件降伏を宣言すること及び無条件降伏に至る行動における誠意について適切かつ十分な保障を提供することを要求します。それ以外の日本の選択は、迅速かつ完全なる壊滅を意味します。(訳文の解説はこちら

 

 

    1. 我々、アメリカ合衆国大統領、中華民国主席とイギリス首相は、我々の数億の国民を代表して協議した結果、この戦争終結の機会を日本に与えることで意見が一致した。
    2. アメリカ、イギリス、そして中国の陸海空軍は、何度も陸軍、航空編隊の増強を受けて巨大になっており、日本に対して最後の一撃を加える体制が整っている。この軍事力は、日本が抵抗をやめるまで同盟国によって維持できるものだ。
    3. 世界中の自由な人々は立ち上がった。それに対してドイツが採った無益かつ無意味な抵抗の結果は、日本の人々に対しても極めて明快な例として示されている。現在日本に向かって集中しつつある力は、ナチスの抵抗に対して用いられた力―全ドイツ民の生活、産業、国土を荒廃させるのに必要だった力―に比べると、測り知れないほど大きいものだ。決意をもって、我々の軍事力全てを投入すれば、日本軍は壊滅し、また、日本の国土は焦土と化すだろう。
    4. 日本が決断する時は来ている。知力を欠いた身勝手な軍国主義者によって制御され続け、滅亡の淵に至るのか。それとも、理性の道を選ぶのか。
    5. 我々の条件は以下の通り。条件からの逸脱はないものとする。代替条件はない。遅延も一切認めない。
    6. 日本の人々をだまし、間違った方向に導き、世界征服に誘った影響勢力や権威・権力は、排除されなければならない。無責任な軍国主義が世界からなくなるまでは、平和、安全、正義の新秩序は実現不可能である。
    7. そのような新秩序が確立されるまで、また日本の戦争遂行能力が壊滅したと明確に証明できるまで、連合国軍が指定する日本領土内の諸地点は、連合国軍がこれを占領するものとする。基本的目的の達成を担保するためである。
    8. カイロ宣言の条項は履行されるべきものとし、また、日本の主権は本州、北海道、九州、四国及びわれわれの決定する周辺小諸島に限定するものとする。
    9. 日本の軍隊は、完全に武装解除されてから帰還を許し、平和で生産的な生活を営む機会を与えることとする。
    10. 我々は、日本を人種差別し、奴隷化するつもりもなければ国を絶滅させるつもりもない。しかし、われわれの捕虜を虐待した者を含めて、全ての戦争犯罪人に対しては厳重なる処罰を行うものとする。日本政府は、日本の人々の間に民主主義的風潮を強化しあるいは復活するにあたって、障害となるものは排除する。言論、宗教、思想の自由及び基本的人権の尊重が確立されなければならない。
    11. 日本は産業の維持を許される。そして経済を持続し、正当な戦争賠償の取り立てに充当する。しかし、戦争を目的とする軍備拡張のためのものではない。この目的のため、原材料の入手はこれを許される。ただし、入手と支配とは区別する。世界貿易取引関係への日本の事実上の参加を許すものとする。
    12. 連合国占領軍は、その目的達成後そして日本人民の自由なる意志に従って、平和的傾向を帯び、かつ責任ある政府が樹立される限りにおいて、直ちに日本より撤退するものとする。
    13. 我々は日本政府に対し日本軍の無条件降伏の宣言を要求する。かつ、誠意を持って実行されるよう、適切かつ十二分な保証を求める。もし拒否すれば、日本は即座にかつ徹底して撃滅される。
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