運動する物体の全エネルギーは、相対論的に次の式で表します。
$$ E = \frac{mc^2}{\sqrt{1-\frac{v^2}{c^2}}} $$
m:質量
v:速度
光速c \(=3×10^8\)[m/s]
$$
v = \frac{c}{2}
$$
のとき
$$
\begin{align}
E &= \dfrac{mc^2}{\sqrt{1-\dfrac{\left(\frac{c}{2}\right)^2}{c^2}}} \\
&= \dfrac{mc^2}{\sqrt{1-\dfrac{\frac{c^2}{4}}{c^2}}} \\
&= \dfrac{mc^2}{\sqrt{1-\dfrac{1}{4}}} \\
&= \dfrac{2mc^2}{\sqrt{3}}
\end{align}
$$
一つの電子が1Vの電圧で加速されるときのエネルギーは1eV(電子ボルト)です。
また、エネルギーは次のように変換できます。
\begin{align}
E &= 1[eV] \\
&= 1.6×10^{−19}[J]
\end{align}
120kVで加速された電子のエネルギーは120keVで、これがX線(光子)の最大エネルギーに対応します。
\begin{align}
E &= 120・10^3[eV] \\
&= 120・10^3×1.6・10^{-19}[J]
\end{align}
光子エネルギーは次の式で表されます。
$$ 光子エネルギーE=h\frac{c}{λ} $$
より、
\begin{align}
120・10^3×1.6・10^{-19} &= 6.6・10^{-34}×\frac{3・10^8}{λ}\\
λ &= 1.0×10^{-11}[m] \\
&= 1.0×10^{-2}[nm]
\end{align}
1
陽子の質量:\(1.673×10^{-27}[kg]\)
中性子の質量:\(1.675×10^{-12}[kg]\)
2
物質を構成するフェルミ粒子(陽子、中性子、電子など)のスピンは1/2、その他ボース粒子はヒッグス粒子のみ0でそれ以外は1。
3
核力は、陽子や中性子(総称して核子)の間でπ中間子を媒介して結合させる働きをもつが、ほぼ隣同士の範囲にしか及ばない。一方クーロン力は、陽子同士で電気的な反発が起こり、その範囲は原子核内全体に及ぶ。
陽子の数が増えると相対的に核力よりクーロン力が大きくなるので安定しない(核力<クーロン力)。
中性子の数が多いと核力が増すため、安定した原子は陽子より中性子の方が多い(核力>クーロン力)。
4
重陽子は陽子1個と中性子1個が結合してできた原子核。
中性子は陽子より重いため「陽子+中性子」>「陽子×2」となるが、重陽子は質量欠損があるため「重陽子」<「陽子×2」となる。
5
原子核の密度は質量数によらず、半径は質量数(体積)の1/3乗に比例する(密度の飽和性)。
A
陽子は原子核外で安定。
B
中性子は原子核外で613.9[s]の半減期でβ-壊変する。
C
中性子過剰核では中性子がβ-壊変して陽子になることがある。
D
原子核内の陽子は軌道電子を捕獲して中性子になることがある(EC壊変)。
E
α壊変ではα粒子(陽子2・中性子2)が持ち出される。
1
\( ^{11}_{6}C \) と \( ^{11}_{5}B \)は鏡映核(陽子数Zと中性子数Nの組み合わせが逆)。
2
\( ^{43}_{19}K \) と \( ^{45}_{21}Sc \)は同中性子体(中性子数Nの数が同じ)。
3
\( ^{90}_{38}Sr \) と \( ^{90}_{39}Y \)は同重体(質量数Aが同じ)。
核異性体は原子核の構成が同じでエネルギー状態が異なる。
4
\( ^{90}_{38}Sr \) と \( ^{90}_{40}Zr \)は同重体(質量数Aが同じ)。
5
\( ^{114}_{58}Ce \)は放射性核種(半減期:285d)。
安定同位体は\( ^{136}_{58}Ce \) 、 \( ^{138}_{58}Ce \)、\( ^{140}_{58}Ce \) 、 \( ^{142}_{58}Ce \)
A
真空で陽子は安定。
B
陽電子と電子は6.8eVで結合してポジトロニウム(基本構造は水素原子と同じで、質量が水素原子の約1000分の1の原子)を作る。
C
電子対消滅の際、陽電子と電子は運動量を持つためドップラー効果が生まれ、エネルギーは広がりを持つ。
D
電子対消滅では3個以上の消滅放射線を生じることもある。
137Csは1.0×106[個/s]で崩壊する。
このうち0.947の割合が137mBaに壊変する。
IT(核異性体転移)は100%なので、137mBaのすべてが137Baに壊変する。
内部転換係数より、核異性体転移を起こした場合にγ線を放出する割合は
より\(\dfrac{1}{1+0.11}\)。
よって
\begin{align}
毎秒の光子数 &=1.0・10^6×0.947×1×\dfrac{1}{1+0.11} \\
&= 8.5×10^5[個/s] \\
\end{align}
A
電子捕獲では原子番号が一つ減少し、同時にニュートリノが放出される。
B
電子捕獲後の原子核は励起状態(核異性体)から基底状態に至ることがあり、そのときγ線が放出される。
C
内殻電子が原子核に電子捕獲されることで、特性X線やオージェ電子が放出される。
D
β+壊変は常に電子捕獲壊変と常に競合して起こる。
サイクロトロン運動では向心力が働きます。
まず、運動としての向心力の加速度は
$$ 円加速度a = vω $$
ω:角速度
を運動方程式F=maに代入すると
$$ 運動の向心力F = mvω $$
となります。
一方、磁束密度Bの磁場のもとで円運動する荷電粒子は、ローレンツ力(電磁気的な力)が向心力として働くため、
$$ ローレンツ力F = qvB $$
となります。これが円加速度に対応するので
\begin{align}
mvω &= qvB \\
ω &= \frac{qvB}{mv} \\
&= \frac{qB}{m} \\
\end{align}
となります。
ファン・デ・グラーフ型加速器では、絶縁ベルトに電荷を乗せて一方の電極に運び込む。
タンデム方式では、負イオンを加速して荷電交換膜で電子を剥ぎ取り、正イオンをさらに加速する。
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